7月6日にナゴヤイノベーターズガレージにてMARKファミリービジネス研究会の7月例会を開催しました。

第1部の講師は、有限会社エニシング代表取締役の西村和弘様です。

エニシング設立当初は、漢字のTシャツを海外に販売していましたが、紺地に白文字で店名を染め抜いた日本伝統の仕事着「前掛け」と出会い、企画販売を開始。その中で前掛けの産地・豊橋に100年以上前に作られた豊田自動織機製のシャトル織機を使い、70代の職人たちが働く工場があることを知ります。

職人達と一緒に国内外に向けて販路を広げて行く過程で、ビジネスを超越したピュアなエネルギーが未来を拓きます。西村社長はこう言います。「未来は今の延長線上にあるわけではなく、思い描く未来から考え、今の行動を変えるのだ」と。

そして、廃業寸前の工場へ若い職人を派遣して技術を学ばせ、その織機を譲り受けて、2019年豊橋に新工場をオープンします。現在は年間10万枚の前掛け(MAEKAKE)を製造し、世界30か国以上に販売をしています。

西村社長が会社を起こして20年。そこから学んだ経営者の仕事はふたつ。「未来を創ること」と「決・断・すること」すること。決・断とは、決めるだけではなく、断つことが大事で、断つことにより新しいことに挑戦する時間とエネルギーが生まれるのだそうです。

社名のエニシングは「縁(えにし)」に由来します。ひとりではなく面白い仲間が集まり、オンリーワンを目指すことで社会に貢献する。これが、エニシングが大切にしている会社の姿であり、西村社長の考える持続可能な会社です。最近は新聞やテレビなどメディアで取り上げられる機会も増え認知度が高まっている当社ですが、今回の講演では縁が縁を呼ぶ、伝統技術の第三者事業承継成功の物語を、実体験をもとに情熱的に語っていただきました。

第2部のビジネスよもやま話は帝国データバンク名古屋支店の丸山昌吾情報部長に、コロナ禍での企業倒産の状況について全国と東海地区や愛知県の比較を交えて解説していただきました。業種別の傾向や先行きの見通しの違いなどの話もあり、参加者は自社の業界に照らし合わせて聞き入っていました。

最後に帝国データバンクの評点の読み方の説明があり、こちらも非常に参考になりました。

講師紹介

有限会社エニシング 代表取締役
西村和弘 氏

1973年広島県生まれ。中央大学在学中に1年間のアメリカ留学を経験。大学卒業後、江崎グリコに入社。5年間の勤務を経て、エニシングを起業し、漢字Tシャツの企画販売のビジネスを始める。

そんな中、かつては酒屋や米屋などで使われていた帆布製の紺地に白文字で店名を染め抜いた日本伝統の仕事着「前掛け」の販売を開始、社名を印刷した「オーダーメイドの前掛け」を国内外で販売する。販路を拡大する中で、前掛けの産地・豊橋市に100年以上前に作られた豊田自動織機製の織機を使い、70代後半の職人たちが働く廃業寸前の工場があることを知る。

前掛けの製造技術が途絶えようとしていることに危機感を抱いた西村社長はその織機を譲り受け、2019年に豊橋市に新工場をオープン。現在は、年間10万枚の前掛けの製造販売を行い、イギリス大英博物館やニューヨークMOMAミュージアムなど世界30か国へ販売している。映画007最新作にも登場。伝統技術や地場産業の第三者事業承継の成功例を検証する。

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