1月20日にMARKファミリービジネス研究会が開催されました。
今回の講師は飛騨産業株式会社の岡田贊三様です。
飛騨産業は昨年創業100年を迎えた岐阜県高山市の老舗高級家具メーカーです。長く業績が低迷していた時期がありましたが、2000年に岡田様が社長に就任して以降、従来は廃棄されていた木の節を使った「森のことば」シリーズや、家具には不向きとされていた国産杉を圧縮加工して使用した「HIDA」シリーズなど、業界の常識にとらわれない柔軟な発想でヒット作を次々と生み出しました。また、トヨタ生産方式を取り入れた生産体制の大幅見直しを行い、柳宗理やエンツォ・マーリといった国内外の有名デザイナーとのコラボレーションによる家具を製作するなど、抜本的な改革を行った結果、岡田社長就任からの14年間でそれまでの2倍となる年間売上50億円を達成。近年は、伊勢志摩サミットで使用されたテーブルを製作するなど、当社の事業の変遷を聴くことができました。
講演の中で印象に残ったのは、岡田様の4つの生き方のお話です。
・いい加減に生きる(動かないのではなく、行きすぎたら戻る。ちょうど良いバランスを重視する。)
・口から出まかせ(言葉にすることで、自分を感じる。本音で語り、間違っていたら正せばよい。)
・行き当たりばったり(出会いを大事にする。)
・その日暮らし(今日、今を将来に向けて精一杯生きる)
岡田様の実践から生まれた哲学とも言えるこの考え方に大いに共感しました。
また、講演では、若手育成を目的として設立された飛騨職人学舎の2名の生徒も登壇してくださいました。飛騨職人学舎では「恋愛禁止」「携帯禁止」「時間厳守」の相撲部屋のような環境での2年の共同生活を通して、家具づくりの技と人間性を磨きます。壇上で30か条の寮のルールを披露してくれましたが、目標に向かって努力を重ねる若者の頼もしい姿に会場の参加者から大きな拍手が送られました。
また、第2部の「ビジネスよもやま話」では、「マインドフルネス瞑想」を取り上げました。ストレスを解消し、仕事の効率を上げる効果があるとしてGoogleやFacebook、IBMといった企業が社員研修に取り入れるなど、注目のマインドフルネス瞑想についてインド中央政府科学技術省公認のヨーガセラピストの津田陽子様に解説と実践をしていただきました。