第一部:サッカーU-21 日本代表監督 (元鹿島アントラーズ監督)大岩 剛 氏

MARKファミリービジネス研究会、第7期の第1回・第1部の講師はサッカーU-22日本代表監督の大岩剛氏でした。

選手として名古屋グランパスエイトをスタートにジュビロ磐田、鹿島アントラーズでプレーした後、鹿島アントラーズの監督を経て、現在はパリオリンピックを目指す22歳以下の日本代表チームの監督を務めておられます。

今回は、前日に欧州遠征から戻られたばかりという、多忙なスケジュールの中『人を育てる、組織を育てる プロサッカー監督のマネジメント』と題して講演をしていただきました。

講演の前半は昨年のカタールW杯を映像を交えて振り返り、来年のパリオリンピックに向けてのU-22日本代表の現状を聞かせていただきました。2026年に開かれる次回のW杯に向けては、U-22世代の成長と突き上げが重要だと分析されました。

後半は、プロサッカーの監督という仕事についてでした。プロサッカーの監督になるにはS級指導者というライセンスが必要で、その資格を取得するための講習のメニューは、単に指導方法を学ぶものではなく、チームビルディング、意思決定やメンタルトレーニング、メディアとの付き合い方からハラスメント対策等々、その内容は多岐にわたり、サッカー界とは全く別の分野で活躍している方の講義も含まれているとのことです。

日本代表チームともなると、選手、コーチだけでなく裏方まで含めると関係者は50~100名の大所帯ということで、それを率いる監督という仕事のハードさが分かりました。

監督の役目は、アイデンティティ(誇り)、戦術(原則)、フィロソフィー(哲学 スタイル)、規律(基準)を全体で共有し目的に向かい前進することです。そして監督の仕事とは「決断すること」だと言います。監督とは『孤独だが孤立してはいけない』という言葉にも大いに共感できました。監督は企業においては社長であり、会社経営に通じる共通点を考えさせられる講演でした。

第二部:名城大学外国語学部 准教授 鈴村裕輔 氏

第2部の「ビジネスよもやま話」は「45分、聴いて、学んで、すぐに語れる野球のはなし」と題して、名城大学の鈴村裕輔准教授にご登壇いただきました。鈴村准教授は、野球史研究家として有名で、「野球とベースボールは同じか?」というユニークな視点から、大リーグと日本のプロ野球を比較して日米文化の違いを論じていただきました。

選手の背景、練習方法、経営の手法、社会との関係など日米の違いは興味深いものがあります。現在の大リーグがダイバーシティなどの問題を抱えているとの指摘もありました。また、大リーグは選手の多国籍性を積極的に取り上げることで、Global(異なる国・地域の人や企業が同一の基準、規則の下で競争すること)なゲームとして、そのブランド価値を高めようとしており、その意味で大谷選手をはじめとする日本人選手は象徴的な存在となっている、との見方は説得力がありました。

講師紹介

サッカーU-21 日本代表監督 (元鹿島アントラーズ 監督)
大岩 剛 氏

1972年静岡県生まれ。
清水市立商業高等学校、筑波大学を経て、1995年名古屋グランパスエイトに入団。
その後、ジュビロ磐田、 鹿島アントラーズでディフェンダーとして活躍。

2011年天皇杯優勝とともに現役を引退する。
その後、2017年から2019年まで鹿島アントラーズの監督を務め、2018年にはAFCチャンピオンズリーグで優勝に導く。
2021年にはU-21日本代表の監督に就任、2024年のパリオリンピックを目指している。

最近のサッカー界は世界で活躍する若いタレントが次々に誕生しているが、多様な人材を束ねて、勝つチームを作るには何が必要か。サッカー界の名指揮官から、ビジネスの世界にも通用するリーダー論について聴く。

第二部:ビジネスよもやま話-野球のはなし

野球で考える日米の文化の違い
 講師:名城大学外国語学部 准教授 鈴村裕輔