10月5日(水)に「MARKファミリービジネス研究会」を開催しました。

第1部:東海神栄電子工業株式会社の田中義人代表取締役会長

第1部の講師は東海神栄電子工業株式会社の田中義人代表取締役会長でした。今から約30年前、バブル崩壊で自社の業績が落ち込んだ時にたまたま出会ったカー用品のイエローハットの創業者鍵山秀三郎氏から「30年トイレ掃除を続けてきたおかげで人生も会社も大変良くなりました」と言われたのがきっかけで、自分ひとりで掃除に取り組みます。自宅そばの神社から始めた掃除は、周囲を巻き込み人々の意識を変え、社やトイレもきれいになりました。掃除の効用に自信を持った田中氏は、会社でも掃除に力を入れた結果、不良品の削減、残業の減少、黒字化などの成果を上げました。

その理由として田中氏は掃除によって、

  1. 小さなことに気付くようになる
  2. 汚さなくなり、マナーがよくなる
  3. 物を大切にするようになる
  4. 人を大切にするようになる
  5. 自分の潜在力を引き出す

からだと言います。良い製品、良い職場を作るには環境整備が最も大切で、掃除はそれを無意識下に行う教育だと説明されました。理屈ではなく、まずは行動から。「仕事にどう向き合うか」だけでなく、「仕事以外のものにどう向き合うか」を考えさせられる講演でした。

第2部:愛知県民会議の舘喜代孝専務理事

第2部は『反社会的勢力による不当要求行為の現状と対応要領』という演題で暴力追放愛知県民会議の舘喜代孝専務理事より話を聞きました。反社というとまず暴力団が頭に浮かびますが、暴力団だけが反社ではなく、資金源を狙う活動の潜在化がますます進んでいるとのことです。

講演では、実例も上げながらそうした活動の様子を紹介するとともに、万一そうした反社と関係が出来そう、あるいは関係が出来てしまった場合の対応の仕方や相談窓口について解説してもらいました。普段、あまり意識はしていないけれど、身近に起こり得る問題であると再認識させられました。

講師紹介

東海神栄電子工業株式会社
代表取締役会長 田中義人 氏

1947年岐阜県恵那市生まれ。1969年に創業。バブルが崩壊し日本全体が傾く中で、3つの会社を経営していた田中氏が経営の危機に陥り、生き残りの道を模索していた1991年に偶然、イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏と出合う。

「既に30年間トイレ掃除を続けてきて、人生も会社も大変良くなった」との鍵山氏の一言に衝撃を受け、翌朝から近くの神社の清掃を始める。そして境内が美しくなる都度、次から次へと善なる変化が起きることに感動し、「よき環境づくりは、よき品質、よき人づくりの基本」との考えに基づき、掃除をベースにした会社改革を進める。

その後、鍵山氏の後を継いで「日本を美しくする会」の会長を2017年まで勤め、現在は同会の顧問。鍵山氏に出会う前は、掃除には全く関心がなく、汚れにも無頓着であった田中会長だが「人間は、いくつになっても変われるものです。」と語る。清潔にすることで人はどう変わっていくのか?、を聴く。