5月12日(木)にMARKファミリービジネス研究会の今年度(第6期)の第2回目が開催されました。今回の講師はホス活研究所代表の河野正光様です。「ホス活」とは耳慣れない言葉ですが、「ホスピタリティの活用」の略だそうです。講演では、まずホスピタリティ(おもてなし)の意味について、仏教の考え方、茶道の作法、キリスト教の教えなどを例に読み解いて行きました。
そしてサービスとおもてなしの違いは、サービスが「いつでも・どこでも・誰にでも」にあるのに対し、おもてなしは「今、ここで、あなたにだけ」のものであり、「今ここで自分ができることは何だろう」「相手は何をのぞんでいるだろう」を考え、相手と「心の対話」をすることだと言います。講師独自の定義では、「もてなす=以って、成す」であり、「○○を以って→相手が感動・喜ぶことを→成す・為す」ということになります。
そこで重要なのが、「気づき」です。感受性を高め、周囲に気づき、自分に気づくことで、考えが変わり、行動が変わり、仕事もプライベートもうまくいく、と述べられました。
企業で言えば、「従業員満足」→「顧客満足」→「業績アップ」のサイクルがうまく回り、日常生活では、例えば夫婦間も気づきによってコミュニケーションが善くなります。
しかし、気づきは自然に身につくものではなく、企業で言えば社員本人に「気づかせる」指導が必要です。現代では、特に若者は自己承認欲求が強く、生産性向上のためには管理者は従業員のパフォーマンスの実績管理よりも、パフォーマンスを向上させるための管理の方を求められてきています。そのためにもおもてなしの考え方は、経営者に必須のものだと理解できた講演でした。
続いての「ビジネスよもやま話」は、『日本史を、金融・経済から見たら面白い!』と題して、愛知学院大学非常勤講師の船津明生様に、話を伺いました。学校で習った史実の裏には、金融(お金がある、なし)が大きく影響していたことを、戦国時代を題材に様々なエピソードを交え教えてもらいました。歴史好きにはもちろんですが、これまであまり歴史に興味のなかった方にも喜んでいただけた内容でした。
講師紹介
ホス活研究所 代表
(元・株式会社プリンスホテル取締役支配人)
河野正光 氏
明治大学政経学部卒業後、国土計画(現:西武ホールディングス・プリンスホテル)入社。プリンスホテル取締役営業部長・海外部長、西武シンガポール代表取締役、取締役支配人(高輪・新高輪プリンスホテル他)等を歴任。
主に人材育成・法人セールス・営業企画等に従事。ホテル観光業35年勤務。7000人の人材育成を行う。CS(顧客満足)とES(従業員満足)は表裏一体であり、従業員のモチベーションが上がれば顧客の満足度はあがり、業績が上がって従業員の待遇も良くなる。
「人財力」を高め、持続的な業績向上を目指すには、ホスピタリティを活かした経営戦略が必要であると説いている。
著書
2019年 ホス活のススメ(幻冬舎)