第一部:株式会社テルズ&クイーン
代表取締役 鈴木 一輝 氏

第1部の講師は株式会社テルズ&クイーンの代表取締役鈴木一輝様です。テルズ&クイーンは金沢市に本社を置くエステティックサロンの会社です。シェアラの店舗名で北陸と名古屋に17店舗を展開しています。現在の社員数は134名ですが、そのうち男性は鈴木社長を含め、わずかふたり。まさに女性が活躍する会社です。日本一女性を育てる会社の『キラキラ輝く女性へ!組織づくりマネジメント術』について、話を聴きました。

鈴木社長は1966年名古屋市の生まれ。高校卒業後、美容業界に入り数社で勤務。2002年に株式会社イマージュ(現テルズ&クイーン)に入社。2010年に負債13億円を抱え、倒産の危機にあったこの会社を引き継ぎ、代表となりました。そして銀行取引停止、預金残高ゼロの状態から奇跡のV字回復を果たします。

なぜV字回復できたのか?当時を知る社員の証言です。「入社式に「この会社はつぶれかけています。入社した皆には申し訳ないけど、本当に辞めたいならやめても大丈夫。」と言われました。2週間後のボーナスもカット、給与も20%カットになることを全部言われましたが、その当時、誰も辞めませんでした。」 

鈴木社長はV字回復の理由として、

  1. 社長が覚悟を決めること
  2. 社長の本気度を見せること
  3. 社員に本気になってもらうこと

をあげます。鈴木社長の実体験から生まれた力強い言葉だと感じました。

テルズ&クイーンには採用部という部署があり、新卒採用に力を入れています。採用の基準は「価値観が合いそうな人」です。

テルズ&クイーンの理念は「素敵なお母さんづくり」です。この理念に共感できそうな新卒者を採用し、研修を通してその価値観を合わせて行くことで、社員全員が共通の認識を持てるようになり業績改善が進む、という成長の好循環をつくり出すと鈴木社長は考えています。

また、内定者にはインターンシップ期間中に、現場体験でお客様と接している様子やバックヤードまですべてを見せています。そのおかげで、入社後に想像していた職場と現実の職場のギャップを感じることなく、離職率も低いと言います。     

その結果として、就職情報サイトのマイナビの「就職企業人気ランキング」(その他サービス部門)で2021年、2022年と連続で全国トップ10入りを果たしています。

そして、性別を問わず社員に活躍してもらうには、明確な目標と公正な評価が不可欠です。元高校球児の鈴木社長は野球に例えて、こう言います。エースで4番だけを評価することはしない。全員が4番バッターを目指しても困る。9番バッターは9番バッターなりの役割があるので、そこを評価している。多面的なプロセス評価にも重点を置いているそうです。

また、働く環境を変えることで活躍できるチャンスがうまれることもあるため、例えば新潟の店舗から名古屋の店舗へといった転勤も行っており、ひとつの店舗だけに10年間も勤務しているといったことはないようです。

店長の仕事のひとつに毎月の面談があり、それらの情報はすべて社長に集まってきます。各社員の情報で社長が知らないことはない(と思われている)そうで、その社員に合ったきめ細かい対応ができています。

また、「すてきなお母さんづり」が最も大切なビジョンであるテルズ&クイーンは、社員の誕生日に合わせ感謝休暇という制度を設けています。こどもの誕生日は母の出産記念日。「産んでくれてありがとう」の感謝を伝えるための休暇です。

テルズ&クイーンの人材育成には、その一つひとつに意図があり、単なる社員教育ではなく、会社としてひとりの女性としての成長を助け、見守る組織づくりのマネジメントを学ぶことができました。

第二部:日本気象予報士会・鈴木浩文様

第2部の「ビジネスよもやま話」は講師に日本気象予報士会の鈴木浩文様をお招きし、「地球温暖化について考えてみる」というテーマで話を伺いました。

連日の猛暑日、頻発する豪雨災害などもあり、地球温暖化への関心はますます高くなっているように思います。二酸化炭素が原因で地球温暖化が進み、様々な悪影響が出ているといわれますが、そのメカニズムはどうもそんな簡単なものではないようです。

例えば、実際の観測値で名古屋の平均気温は20世紀の初めから現在までに2.6℃上昇していますが、八丈島では0.5℃の上昇にとどまっています。また、温暖化の影響で北極の氷が解け、ホッキョクグマの生息数も減っていると思われていますが、実際の頭数は増えているというデータもあります。

講演では、さまざまな気象データの紹介がありましたが、そこから言えることは気候変動については科学的に分からないことが多いこと。今後科学の進歩により少しずつ解明が進むことが期待されます。

そして最後に私たちは、溢れる情報に流されず、何が正しいのか、正確な情報により行動して行くことを心掛けることが重要だと結ばれました。

鈴木一輝氏

[石川県金沢市]
株式会社テルズ&クイーン
代表取締役 鈴木 一輝 氏

1966年名古屋生まれ。東邦高校を卒業し、美容業界に入り数社で勤務。
2002年に株式会社イマージュ(現テルズ&クイーン)に入社。
2010年に負債13億円を抱え、倒産の危機にあったこの会社を引き継ぎ、代表となる。

そして銀行取引停止、預金残高ゼロの状態から奇跡のV字回復を果たす。そこには『素敵なお母さんづくり』という経営理念につながる様々な制度の導入があった。
今では女性が働く企業のモデルとなるべく経営を行っている。

2021年、マイナビが実施した「2022年版 就職企業人気ランキング」において全国9位(その他サービス部門)にランクイン、大きな注目を浴びている。