思えば動く、動けば叶う
第一部:株式会社龍の瞳(岐阜県下呂市)
代表取締役 今井 隆 氏
2024年5月8日に今年のMARKファミリービジネス研究会5月例会が、開催されました。
5月のテーマは「昇龍の勢い」という事で、ともに「龍」にゆかりのあるふたりの講師に登壇していただきました。
最初の講師は、株式会社龍の瞳(岐阜県下呂市)の今井隆社長です。
「龍の瞳」とは、今井社長が2000年9月に突然変異のイネを偶然発見し、数々の苦労を経て最高級ブランド米に育て上げた奇跡の米です。
講演では、農林水産省の職員だった今井社長が、新種の米との「出会い」から役所を退職し、会社を興し、社員を育て、幹部を鍛えるなかで学び、身につけられたリーダーとしての役割や考え方について語っていただきました。
中でも印象的であったのは、今回の講演の演題でもある「思えば動く、動けば叶う」という言葉です。これにはこんなエピソードがあります。友人から掛けられた「思えば叶う」という言葉の意味が、今一つ腑に落ちないと考えていた今井社長ですが、ある時真ん中に“動く”という言葉が抜けていることに気が付き、それからこれは宇宙の法則だと信じ、座右の銘として実践しているそうです。
この言葉には、社員、周りの人を幸せにし、社会のためになり、自分・家族を幸せにするような大きな夢を持ち、失敗を恐れず、失敗は次へのステップだと捉え、どうしたら夢の到着点にたどり着けるかを考えて行動して欲しいというメッセージが込められています。
今井社長はご自身も過去には失敗や間違いを繰り返してきたと言います。そしてそれは現在においても続いているかもしれないとしたうえで、「怒ってはいけない、恨んではいけない、馬鹿にしてはいけない」ことが大切だと振り返っていらっしゃいました。
今回は農業という一般的には少し馴染みのない分野の話ではありましたが、どの話も今井社長の実体験から生まれた内容ばかりで、意味深く、参考になる内容でした。
最後に、地球環境や食糧危機という今井社長が強い問題意識を持つ諸問題をテーマに今月開催される「食・環境・農薬 沈黙の春62年後の現実トークセッション in ウィルあいち」のご案内と当社の開発した新商品の紹介があり、講演後の質疑応答も活発でした。
株式会社龍の瞳(岐阜県下呂市)
代表取締役 今井 隆 氏
1974年、農林水産省入省。農林水産省内では、精力的に農業の問題点掘り起こしに取り組む。
2000年9月「龍の瞳(品種名・いのちの壱)」を発見。
2006年、品種登録。51歳で農林水産省を退職し、合資会社龍の瞳(現・株式会社龍の瞳)を設立。登録検査機関、有機ジャス小分け、グローバルGAPなどを取得。龍の瞳は、日本でいちばん美味しいお米としてブランド化に成功し、高価格帯ながら品切れが続いている。
教養として知っておきたい落語(第2回 落語会)
第二部:落語家 登龍亭 獅鉃氏
5月のテーマ「昇龍の勢い」にちなんだ「龍の瞳」の講演に引き続いて第2部のビジネスよもやま話に登場した二人目の「龍」は、登龍亭獅鉃さんです。
登龍亭は東海地区で唯一の落語家一門です。現在名古屋にはプロの噺家は4人しかいないそうですが、その中で大垣市出身、名城大卒の34歳、登龍亭獅鉃さんは注目の有望株です。
当日の演目は、江戸時代に名古屋の熱田宿と桑名宿を結んでいた渡船「七里の渡し」が舞台の「熱田船」。(東京や大阪では「鮫講釈」や「桑名船」という題名で演じられることが多いそうです。)
MARKファミリービジネス研究会で、落語会を開くのは2回目ですが、参加者の中には、「初めて本物の落語を聴いた」という人もいて、普段の研究会とは違った趣向で、楽しんでいただけたようです。
落語家 登龍亭 獅鉃氏
大垣市出身の登龍亭獅鉃さん。
東海地区で唯一の落語家一門である「登龍亭」の若手で、正に今、ブランド米「龍の瞳」と同じように、昇龍(登龍)の勢いで活躍の場を広げている。