村山様は、祖父が創業し、日本一の竹屋とも言われた三栄竹材工業株式会社の3代目として1954年、愛知県豊田市で生まれ、父親から2002年に関連会社である三竹生コンクリート株式会社の事業を承継しました。

ところが引き継いだ会社は、借金3.7億円、さらに2.6億円の累損と、合わせてマイナス6億円からのスタートでした。そんな崖っぷちに立たされた状況で選んだ道は、経営者が自ら学び続け、社員とともに歩むことだと決意します。

内憂外患のなかで自らの学びに活路を見出し、中小企業大学校の研修に100回以上通うなどして知識や理論を身につけ、自社の現状を客観的に分析、把握することに努めます。そして経営の理念、目的を再定義し、自社の目指すべき方向を従業員と一緒に考え、議論するなかで、意識の共有化を進めます。

その頃はじめたのが全員で自社の“いいとこ”を見つけ、それを発表しあう「いいとこ探し」です。20年前は昼休みに花札をやっているような会社だったそうですが、これで職業的自尊心が高まったものと思います。現場への大幅な権限委譲と社員総力が活性化することで、会社は見事に再生。今や離職率はゼロだそうです。

講演では父である先代との確執や金融機関との交渉内容、会社の実際の決算数字なども余すところなく語ってもらい、逆境をものともせず、経営者自身が学び、それを経営に活かしてきたプロセスを聴くことができました。

最後は、若くしてがんで亡くなった従業員が、大好きだった三竹生コンクリートの制服をまとって天国へ旅立ったというエピソードが紹介され、企業風土の大切さを感じる講演となりました。